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Ein umzeitgemaesser Student


by regensdorf
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好きな曲

 バッハが大好きな私にも他に好きな曲はたくさんある。そしてその歌詞を訳してみたくなるときもある。ドイツ語を訳すとき、心底落ち込んでしまうのは、全部の単語の意味を知っているのに(生半可に)訳せないとき。

”私は訳せなくていいの、ドイツ語はドイツ語のまま理解するから!と言い放った女性がいる。羨ましいとおもった、僕もドイツ語のままで理解しているのが殆どだ。ドイツ語で言い換えることのほうが簡単なことが多い。というかドイツで勉強する限りこの方法しかない。しかし最後は翻訳に頼るしかないことがある。これがため日本で勉強していたらどんなに良かっただろうとよく思う、出来ないとぞっとするほど恐ろしく感じる、そして避けることがある。避けて通ることができないと知っているのに。

日本には原語主義というのがあるそうだ、ドイツ語の歌はドイツ語のまま歌わないといけない、意味が無いと考えているようだ。なんと高慢なことよ、ルターが聖書のドイツ語訳をした時に徹底的に妨害した教会の連中のようだ。

でも、問題は更にその先にもあるのだ。日本語に訳して、まだ意味が取れないことがある。当たり前だ。言葉は数式ではない、不十分なのだ。

そんな悩みをたくさん提供してくれるのが歌詞の翻訳だ。お正月やすみで時間があったので取り組んでみた。意識的に核心を外して訳してもみた。そのほうがキリスト教文化に精通しない私の浅はかさがよく出ると考えたから。(小心者ゆえ大外しを怖がっている。そのくせ”御前”や”受難”を使っているのがいじらしい。でも”犠牲になった”はさすがに気が引けた。彼岸は、、、いじめないで欲しい)

恐ろしいことに大好きな曲を訳してみた。同様の歌詞を使って(一部違うが)バッハはBWV124を作曲している。したがって大家の訳が簡単に見つかると思う。事前に参照しようと思ったが基礎知識のない私が斯界の大家の訳を見てしまうと意欲が萎えることは明白なのでやめた。

Youtubeで検索をかければこの曲が簡単に聴ける。が、私の理解とは全く違う演奏なのでリンクはしない。

トーマス教会で聴いたあまりにも切なく響いた演奏が私の中にいまもあり、祈りとは無縁の演奏を聴くと全く別の曲に聴こえるから。ボーイソプラノが決めてくれると、祈りとは何かが分かる気がする。下手なソプラノで聴くと一生後悔することになる。技巧では決して表現できないこの曲ゆえに魅了されるのだろう。

Max Reger
Meinen Jesum laß ich nicht
Choralkantate für Violine, Viola, Sopransolo, gemischten Chor und Orgel

1. CHOR
Meinen Jesum laß ich nicht,
私はイエスから離れはしない
weil er sich für mich gegeben,
なぜなら、彼は私のために受難されたのだから
so erfordert meine Pflicht nur allein für ihn zu leben.
彼のためだけに生きることが私の義務なのだ
Er ist meines Lebens Licht
彼は私の人生の光明
meinen Jesum laß ich nicht.
私はイエスから離れはしない

2.SOPRANSOLO
Jesum laß ich nimmer nicht,
私は決してイエスから離れはしない
weil ich soll auf Erden leben,
なぜなら私は地上に生かされているのだから
ihm hab ich voll Zuversicht,
イエスに私は全身全霊を込めた信頼を寄せている
was ich bin und hab, ergeben

Alles ist auf ihn gericht:
全ては彼の為に
meinen Jesum laß ich nicht.
私はイエスから離れはしない

3. CHOR
Laß vergehen das Gesicht, - Hören, Schmecken, Fühlen weichen,
五感を失ったとしても
laß das letzte Tageslicht mich auf dieser Welt erreichen;
最後の光がこの世の私を照らす
wenn des Leibes Hütte bricht:
我が身が滅びるとき
meinen Jesum laß ich nicht.
私はイエスから離れはしない

4.SOPRANSOLO
Ich werd ihn auch lassen nicht,
私はこれからも彼から離れはしない
wenn ich nun dahin gelanget,
私が彼岸に行ったら
wo vor seinem Angesicht -
そこは彼の御前
meiner Väter Glaube pranget.
私の信仰を誇らしくおもう
Mich erfreut sein Angesicht:
彼の面持ちは私を安らえる
meinen Jesum laß ich nicht.
私はイエスから離れはしない

5. CHOR
Nicht nach Welt, nach Himmel nicht meine Seele wünscht und sehnet,
この世になく、天国に無い私の魂は望み、憧れる
Jesum wünscht sie uns sein Licht,
私の魂はイエスの光明あれかしと祈る
der mich hat mit Gott versöhnet,
イエスは神が下した私の原罪との間に立ち
der mich frei macht vom Gericht;
神の裁きより私を開放してくださる
meinen Jesum laß ich nicht.
私はイエスから離れはしない

6. CHOR
Jesum laß ich nicht von mir,
私はイエスから離れはしない
- geh ihm ewig an der Seiten;
永遠に彼に寄り添う
Christus läßt mich für und für zu dem Lebensbächlein leiten.
キリストは私の人生をいつも導いてくださる
Selig, wer mit mir so spricht: - meinen Jesum laß ich nicht.
祝福されしものは私にそのように告げる
私はイエスから離れはしないと

Christian Keimann (1607-1662),1658
by regensdorf | 2012-01-03 08:09